生活のTips 仕事・生活編⑤

片頭痛と肩こり・首の痛みの関係

肩や首のこり・痛みと片頭痛は関係があるのでしょうか？

肩こりは健康な人でも、多くの人が日常生活の中で経験していると思います。人の身体のつくりとして、肩の上に首と頭があり、それぞれの部分を動かす筋肉が共通していたり、連動したりするために、肩や首がこったり痛くなったりすると、頭痛が起こることがあります¹⁾。これは、片頭痛にも当てはまるのでしょうか？

肩や首がこると片頭痛が起こることがあります

肩こりがあると緊張型頭痛と間違われることがありますが、実は片頭痛と肩や首のこりは密接な関係があります。

片頭痛患者さん288名を対象に、頭痛と肩や首のこりとの関係を、インターネット上でアンケート調査した報告があります²⁾。その調査の中で、片頭痛の引き金となっているもの（誘因）を質問したところ、7割以上の患者さんが「肩こり」と回答していました（図）。また、68%の人が普段から肩や首がこると答え、19%の人は頭痛のときや、頭痛の前後に肩や首がこると答えました。
この調査から、多くの片頭痛患者さんが肩や首のこりを、頭痛の引き金になったり、頭痛に伴って起こったりする症状だと感じていることがわかります。

肩や首のこり・痛みは片頭痛の予兆として起こったり、片頭痛とともにひどくなったりもします

海外の研究では、97名の片頭痛患者さんがつけた電子ダイアリーから、頭痛の予兆にはどのような症状があるのか調べた報告があります³⁾。その結果、疲労感（73%）、集中力の低下（51％）に次いで、首こりが50%で予兆として起こっていました。

一方、肩や首のこり・痛みは予兆ではなく発作の一部だともいわれています。片頭痛患者さん487名を対象にした海外の別の研究では⁴⁾、インターネット上でアンケート調査をしたところ、約7割の患者さんが首の痛みがあると答えていました。さらに首の痛みが起こったタイミングを詳しくみると、頭痛が起こる48時間前から2時間前までが7.4%、2時間前から頭痛が起こるまでが24.2%、頭痛と同時が37.8%でした。また多くの人が頭痛とともに首の痛みもひどくなったと答えていました。

これらの研究から、肩や首のこり・痛みは片頭痛の予兆でもあり、片頭痛発作の一部でもあることがわかります。

適度な運動やリラックスで肩こりを予防しましょう

片頭痛が起こるだけでもつらいところに、肩こりもひどくなるのは避けたいものです。つらさをやわらげるためにも、日ごろから肩こりの予防を心がけたいですね。デスクワークなどで同じ姿勢が長く続きがちな方は、軽い運動や体操で体をほぐすようにしましょう。お風呂で体を温めてリラックスするのもおすすめです¹⁾。

あなたの片頭痛と肩や首のこりは関係していませんか？思い当たる方は肩こりの予防を検討してみてはいかがでしょうか。