CLEAR

話してみよう。あなたの片頭痛

監修:仙台頭痛脳神経クリニック
松森 保彦 先生

片頭痛のつらさを一人で抱え込んでいませんか。あなたが感じている悩みやつらさを、誰かに伝えることが片頭痛をコントロールする第一歩になるかもしれません。

医師や看護師にあなたの症状を適切に伝えてみましょう。また同じ悩みを共有できる患者さんとの交流の場を活用することで、気持ちが楽になれたり、有用な情報が得られたりするかもしれません。

片頭痛をきちんと伝えることが症状改善の第一歩に

片頭痛からくる痛みや不調は、他の人にはなかなか伝わりにくいものです。自分から話すことに抵抗のある人もいるでしょう。しかし、痛みやつらさをきちんと伝えたほうがよい場合もあります。

例えば頭痛外来を受診するときには、症状をできるだけ詳しく医師に伝えることが、あなたに適した治療方針を決めるうえで大切な情報となります1)。あなたが日常生活で困っていることについて、積極的かつ具体的に話してみてください。

ld-img

とはいえ、医師に対しては緊張して上手く話しづらいという方もいらっしゃると思います。その場合は、看護師に話してみるとよいでしょう。多くの患者さんが受診する頭痛外来では、医師が患者さんとの面談にかけられる時間にも限りがあります。そこで、頭痛について詳しい看護師が患者さんのお話を伺うことで、より患者さんに寄り添った対応ができると考えられています2)。例えば予診や注射、血圧測定などの時間を使って看護師に話してみるとよいでしょう。また診察が終わった後に疑問がある場合にも、遠慮なく看護師に聞いてみましょう。

ld-img

患者さん同士の支えあいの場も活用してみては

実際に自分の片頭痛のつらさについて誰かに話しても、理解してもらえなかったとか、時には「怠けている」と言われるなど、つらい思いをされた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、まずは片頭痛のつらさを共有できる患者さん同士で話すことをお勧めします。他の患者さんの話を聞くことで、「同じ悩みや苦しみをもつ人がいる」ということがわかるだけでも、気持ちが楽になるはずです。

ld-img

患者さん同士が出会える場や交流ができる場として、患者会があります。また学会が主催する市民公開講座や頭痛教室などでも、患者さんの実際の声を聞くことができる機会が豊富にあります。片頭痛患者さんの交流の場や参考になるイベントの情報を以下にまとめました。

日本頭痛学会ホームページ「市民・患者さんへ」

https://www.jhsnet.net/ippan.html

日本頭痛学会の主催・共催による市民公開講座や患者さんのためのイベントなどの開催情報や役立つ情報にアクセスできるリンクが掲載されています。

頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会(JPAC)

https://www.jhsnet.net/pdf/jpac_index.pdf

よりよい頭痛医療の必要性を社会の多くの皆さんに知っていただくために活動する片頭痛患者さんと医師、医療スタッフが連携して運営する組織です。全国各地で頭痛教室など、患者さんが参加できるイベントが開催されています。

なお、本サイトでは患者さんの体験談も紹介しています(こちら)。片頭痛について周囲から正しく理解されず苦しんだ経験をもつ患者さんの声も掲載しています。ぜひ参考になさってください。

  • 1) Lipton RB, et al. J Gen Intern Med. 2008;23:1145–1151
  • 2) 松森保彦. 日本頭痛学会誌. 2021;48:125-128