片頭痛の一因として挙げられるチョコレートやチーズ、果たして本当に片頭痛の原因?
海外の頭痛患者さん(片頭痛および緊張型頭痛を含む)を対象に行ったアンケート調査において、「チョコレートやチーズが頭痛の誘発因子であることを知っている」と回答した患者さんの割合はチョコレート、チーズともに半数以上にのぼりました。しかし、同じ調査で実際にこれらの食品で頭痛が起こった経験があると回答した患者さんは、10%前後に留まっています(図)1)。
しかし、同じ調査で実際にこれらの食品で頭痛が起こった経験があると回答した患者さんは、10%前後に留まっています(図)1)。
また、米国女性を対象に食品の摂取状況と片頭痛の有無の関連を調べたところ、チョコレートの摂取頻度は片頭痛の方と頭痛もちでない方で差はなかったものの、チーズの摂取を避ける頻度は片頭痛の方のほうが高く、チーズが片頭痛の誘発因子だと認識している結果となりました2)。
日本人の片頭痛の方を対象とした調査では、チョコレートが誘発因子であると回答した方はいませんでした3)。
片頭痛の原因として、チョコレート、チーズが話題にあがる一方、実際に頭痛を起こしている患者さんは意外に少なく、嗜好品の種類と片頭痛の関係は個人差が大きいといえます1)。あまり神経質にならず、頭痛が起こったことのある人はその食材を避けることを頭の隅においておくとよいでしょう。