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監修:富士通クリニック 頭痛外来 五十嵐 久佳 先生
片頭痛の治療には、お薬による「薬物療法」の他に、行動療法や理学療法といった「非薬物療法」の効果も期待されています1)。非薬物療法も、「片頭痛コントロール」の大切な方法の1つです。非薬物療法は、薬物療法以外の治療を希望している方、薬物療法を行えない方や効果が得られない方、妊娠または妊娠の可能性がある方、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の既往がある方などに選択されることがあります1)。また、薬物療法と非薬物療法を組み合わせることもあります。
片頭痛の予防効果が期待される行動療法には、認知行動療法や、バイオフィードバックなどがあります1)。 認知行動療法は心理療法の1つで、片頭痛における認知の歪みに目を向けて、それがどの程度現実と食い違っているかを検証し、思考のバランスをとることによって行動を変化させ、頭痛の軽減を図る治療法です2)。
バイオフィードバックは、筋肉の緊張などの普段は意識していない体内の状態を、装置を用いて検出し、その情報を意識することによって、体内の状態を意識的に調節する方法を習得するものです3)。
他にも、リラクセーション法や催眠療法といった行動療法が行われることもあります1)。
片頭痛の急性期治療および予防に有効であると報告されている理学療法には、有酸素運動、カイロプラクティックや針治療があります。ただし、エビデンスが不十分とされており、さらなる研究が必要です1)。
サプリメントや自然食品の中には、ナツシロギクやマグネシウム、ビタミンB2(リボフラビン)、コエンザイムQ10などの片頭痛を防ぐ作用が期待されるものがあります1)。ナツシロギクはハーブの一種で、古くから片頭痛を防ぐ作用があるとされています1)。また、片頭痛患者さんの体内で不足しがちなマグネシウムや、ミトコンドリアという細胞内の器官の働きを助けるためのビタミンB2を補うことで、片頭痛の予防につながると考えられています1)。その他に、西洋フキ(バターバー)も片頭痛予防に有効であるといわれていますが1)、肝臓の機能に影響を及ぼす可能性があるため、西洋フキ(バターバー)を含む製品の摂取は控えるよう厚生労働省からも注意喚起されています4)。